福岡市ホテル動向等〔Ⅰ-①〕

福岡市ホテル動向等〔Ⅰ-①〕

福岡市都心部地価の牽引役となっているのがホテル関連需要です。Jリート等に組み込まれたり、既存のホテルそのものが取引になったり、更にホテル開発用地の取引等が最近多く見受けられます。また、その多くが相対的に高値で取引されているのが特徴的で、開発用地が他用途の需要者と競合した場合、ホテル開発者の方が、上位の価格を提示している状況が多くなってきています。背景としては様々ですが、主に①ホテル宿泊需要の増大、②ホテルの収益率の向上等が挙げられます。
①は、福岡市内のホテルでは宿泊能力が不足しているため、大きなイベント等があったときに、予約が取れないということを経験された方は少なからずおられると思います。また、訪日外国人の増加又はコンベンション都市を標榜する福岡市の将来動向等から、今後も宿泊需要は堅調に推移することが予測されています。②は、従前は硬直的だった宿泊料金でしたが、ネット宿泊予約の広がり等で、需要に応じた料金設定が可能になり、それによりホテルの収益性が格段に改善したことを反映しています。これらの状況を裏付ける資料としては以下のようなものがあります。

厚生労働省のH27年度「衛生行政報告例」によれば、福岡市内のホテル・旅館営業施設は276施設、27,282室で、直近6年の推移は別表のとおりとなっています。旅館はやや減少、ホテルは増加基調、1棟当りの客室数は増加傾向にあります。